2009年12月12日

TOUT ROBUCHON

やっと出ました!
去る10月7日に、1年余りの時間をかけて翻訳していました「ジョエル・ロブションのすべて」が、ランダムハウス講談社さんより無事発売となりました。
無事、というのもなにしろ700を超えるレシピの数、800ページを超えるぶ厚〜い本でしたので、訳し始めはよいけれど、一体いつ終わるのか…自分でも初マラソンを走っているかのような1年でしたが、多くの皆さんの応援の声に励まされてやっと日の目を見ることができました。感謝の気持ちでいっぱいです。そして発売後多くの反響をいただき、この度増版されることになりました。

日本語版の特徴は料理の写真と別冊があること!
フランスで出版後、アメリカ、イギリス、スペイン各国で訳され、フランス料理のバイブルともなっている本ですが、日本語版の特徴は料理の写真と別冊があること!そうなんです。もともと写真が一枚もない本だったのです。料理の写真には流行があるので、時代の流れとともに風化して欲しくない、というロブション氏の意見なのですが、とは言え日本人はまず“目で食する”と言ってよいほど、盛り付けやヴィジュアルが料理においてとても大事な要素のため、ロブション氏のお許しを得て、恵比寿の「シャトー・レストラン ジョエル・ロブション」で30点の料理を撮り下ろしました。
さらに本人曰く「今どきとっても珍しい本」
野菜、卵、スープ、サラダ、魚…食材とお料理のカテゴリー別に、いろいろな食材にまつわる楽しいストーリーがたくさん紹介されています。かつて韃靼(だったん)人が、鞍の下に生肉をはさんで馬に乗りながら、肉をほぐして作ったのがタルタルステーキの始まり…とか、じゃがいもを宮廷で流行らせようとボタン穴にじゃがいもの花を差してパーティーに出かけたルイ14世の涙ぐましい努力など…。さらに700品を超えるレシピには本格的なフランス料理だけでなく、ゆで卵の作り方から、ステーキの焼き方など料理の基本の“き”がたくさん紹介されています。料理を作るときも作らないときも、キッチンやリビングに置いて、パラパラっと開いて料理に触れられる、枕になるほどぶ厚いですが、いろんな使い方のできる頼もしい本なのです。


贅沢な楽しみ
「料理は愛情」とよく言われますが、「お母さんが家族のために料理を作るように気持ちを込めて調理しなさい」と、ロブション氏はスタッフにいつも言っています。気持ちを込めれば、食材を無駄にせず、洗う、切るといった作業もおのずと丁寧になります。その小さな積み重ねこそが美味しい料理を作るのだそうです。 忙しい毎日、デパ地下でも、エキナカでも、コンビニでもできあがった美味しい料理が手軽に買える便利な時代ですが、お休みの日、たまには素材と向き合って、一から手の込んだ料理を作ってみるのも贅沢な楽しみではないでしょうか?

別冊にはフランス料理についてもっと知りたくなる情報をたくさん盛り込みました。こちらは薄くて軽いので通勤のお供に、いつかメニューやレシピをフランス語で読んでみたいと思われる方にはテキスト代わりに活用していただけたら、と思います。

「世界一受けたい授業」
そしてもう一つニュースがあります。来年の1月16日(土)日本テレビ系列「世界一受けたい授業」にジョエル・ロブション氏が出演します。本の中のレシピを使って、お家で簡単に作れる料理のコツを披露します。こちらもお楽しみに!