2010年2月22日

Viva Cuba !

8年ぶり8回目のキューバ
今年、実は生まれて初めてお正月を海外で迎えました。キューバの首都ハバナです。「ブエナビスタソシアルクラブ」というCDとドキュメンタリー映画を覚えてますか?その舞台となったハバナの下町、セントロ・ハバナのSan Miguel通りで新年を祝いました。

お正月の迎え方は国によって様々ですが、私が見たハバナの下町のお正月はとてもユニークでした。家族一同家に集まって(ここまでは日本と同じ)、テレビやCDからの大音響の音楽で楽しく踊り、0時の時報とともに卵を道路に投げつけ、信じられないくらいカラフルなデコレーションケーキを食べ、ラム酒で飲み明かします。リビングルームにはチラチラ光るクリスマスツリーの電飾。どこか懐かしく、切ない雰囲気…。
つい10年前まで毎年夏になると通っていた国キューバ。とにかくキューバの音楽とダンスが大好きなゆえに、到着するなり時間を惜しんで、午前ダンスレッスン→午後ビーチ→夜中ライブの毎日を繰り返していました。8年ぶりのキューバ、どんなに変わったかと思ったらそれほど変わっていませんでした。変わったことといえば、ストリートフードが多くなったことでしょうか?もやしいっぱいの炒飯屋さん、私の大好きなマランガ(山芋)をすりおろして揚げたフリート(これにラム酒があったら、もう止まりません!)や、手作りの蒸しパン屋さんなど。
カリブ海の真珠と呼ばれる美しい国キューバ。革命家チェ・ゲバラやフィデル・カストロを思い出す人も多いでしょう。ソ連の崩壊後、長年アメリカの経済封鎖に遭い、物資や食糧不足に悩まされていると言われています。しかし最近キューバの農業やその充実した自給自足率が世界から注目されています。
決して洗練されたものではありませんが、私はキューバのご飯が大好きです。主食の米を中心に、、黒豆や赤豆、山芋の類、大好きなバナナやパパイヤなど繊維質の果物がたっぷり。鶏肉も美味しいです。調味料と言えば、塩こしょうの他に、オレガノとクミン、トマトピューレとニンニクを多用します。ホテルではなく、いつも現地の家庭に滞在しますが、美味しいけれどお腹いっぱいでギブアップ、なんてこともしばしば。そんなときは”Comes como pajarito! (小鳥なみの食欲ネ)“と笑われます。
でも、市場に行ってみれば、並んでいるのはその時期収穫できる数種類の野菜だけ。私が滞在していた冬はかぼちゃが旬だったのか、毎食かぼちゃが登場しました。つまり、同じ食材が繰り返しヘビーローテーション状態なわけです。でもなぜ私はキューバに来ると飽きることなく、毎日美味しくご飯をいただくのでしょうか? さらにすこぶる体調もよいのです。
それはきっとまず添加物の入った半加工食品やインスタント食品などがまだ市場に多く出回っていないこと、いろいろな事情でやむなく国産の食材中心であること、そして料理好きなキューバのお母さんのお陰では、と私は思います。
見てください。このサラダ。トマト、きゅうり、生のかぼちゃにヴィネガーをかけただけですが、なんともラブリーな盛り付け。「料理は愛情」とはフレンチの偉大なシェフから聞いた言葉もありますが、手に入った材料でどうにか人を喜ばせたい、そんな気持ちにあふれています。
キューバ人の女性はきれい好きで料理上手、頭にカーラーを巻いたまま、モップで床を掃除していたかと思うと、黒豆入りご飯(アロスコングリ)の準備、そんなキューバの日常の光景が東京にいると時にすごく恋しくなります。
今キッチンにあるのは、キューバから買ってきた深入りコーヒー豆。ミルで挽く度に、ハバナのもったりとした空気と喧噪を思い出します。みなさんも機会があったらキューバ、ぜひ訪れてみてください。