2010年11月19日

Plus au sud


すべては那覇から届いた一本のメールで始まりました
私が沖縄の仕事をしていた頃からお付き合いのある砂川聖子さんというすてきな女性からのメール。砂川さんはソムリエールでありながら国際プロトコールの先生。さらに企業の人材育成のお仕事もされてます。その砂川さんが今度は八重山諸島専門の旅行会社の顧問になられたというではありませんか。

でも八重山諸島って…? そうなのです。八重山という名の島は存在しません。。実は石垣島、西表島、竹富島、小浜島、黒島、波照間島、鳩間島、与那国島、新城(あらぐすく)島など有人9島を中心とする沖縄本島より南の一連の島々、沖縄本島ともちょっと異なる文化的なアイデンティティを持っている一地方のこと指します。小さな島々が遠くから 見ると幾重にもかさなって見れるからそう呼ばれるようになったとか。ミシュラン観光ガイドで三ッ星の景観地にセレクトされた川平湾から海を見ると、なるほど八重山…と感じ取ることができます。


おーりとーり、八重山諸島!
島ならば大きなところでキューバ、シシリア、タスマニア、コルシカ、マヨルカ、マウイ…など訪れましたが、「島大好き」という単純な理由から、砂川さんからのご相談、八重山諸島のプロモーションのお手伝いをさせていただくことになりました。

「おーりとーり」とは現地の言葉で「ようこそ」の意味です。とびきり暑かった8月でしたが、「おーりとーり、八重山諸島!」というフェアを開催しました。東京駅の目の前にある新丸ビル7F、安全な食材を使う創作郷土料理レストラン丸の内ハウスMUS MUSさんとのコラボ。魅力的なメニューをいっしょに開発してまずは「八重山諸島の食ぬちぐすい(命の薬)」を東京のみなさんにご紹介しました。

食事が薬とは?たとえば、フルーツでなく野菜として頻繁に食卓に登場する青パパイヤは心臓によく、長命草は一日一枝食べると寿命が一日延びると言われ、現地では上手に料理に取り入れられています。またミネラルが豊富で暑さから身体を守る黒糖、玉ねぎやニンニクより血液サラサラ効果(アリシンという成分のおかげ)のある島らっきょうなども知られています。
さらに八重山諸島専門の旅行会社「平田観光」さんが自社農園で育てている立派なゴーヤ(身体の余分な熱を取り、繊維もいっぱい)などを、現地から多くの食材を取りよせました。食べることで健康になる、ぬちぐすい(命の薬)こそ、いくつになっても健やかな体を育むパワーフードなのですね。
とは言っても大人気は脂が口の中でとろける石垣牛サーロウィンステーキ。あっ、でも青パパイヤのシリシリー(細くおろしたもの)をたっぷりかけてバランス取りました。


島の魅力をお伝えするならば
やはり現地を訪れなければということで、9月終わり八重山諸島へ飛びました。夏と秋が交差するような空と空気に気持ちを預けて、まずは西表島からスタート。


6年前にスノーケリングで見た珊瑚礁の海が忘れられない西表島、カヤックとトレッキングで見に行ったジャングルの中の滝、ワイルドな自然というイメージが強いのですが、実は日本最南端の温泉があるのです。その名も「西表島温泉」、ジャングルの中のワイルドな露天風呂。小さなコウモリが飛んでいるのも見えます。遠くでミミズク(リュウキュウコノハズク)が鳴いているのも聞こえます。満点の星空を仰ぎながらお湯につかっていると体だけでなく、心までほぐれてくるのがわかります。

今回は島の西側にある静かな陸の孤島「船浮」まで舟に乗って行き、ゆっくり午後を過ごしました。ランチはぐるぐん(地元の魚)の唐揚げ、あおさ汁、「じゅーしー」と呼ばれる炊き込みご飯のおにぎりと、青パパイヤのきんぴらなど…。
なんとすべてが竹の器に盛られてます。お箸まで竹です。陶器にふさわしい土がないため、このように昔から竹を使うのだとか。


食事を終えて、ひとりスノーケリングセットを持って「イダの浜」へ。10分歩いて集落の反対側に行くとパッと視界が開けてビーチが現れます。だれ〜もいません。私と海、それだけ。「天国の口、終わりの楽園」というメキシコ映画で主人公たちが最後に行き着くビーチにそっくりでした。行くところに行けば見つかるのですね、天然のプライベートビーチ。


西表島を後にして、石垣島に船で戻り、今度はスピリチュアルツアーに参加しました。まずは島全体がパワースポットとも言われる竹富島からスタート。再び船に乗ること10分、石垣で囲まれた民家、砂を敷き詰めた集落の道にはのんびり観光用の水牛車が行き交い、本当にたたずんでいるだけで和みます。


大地からの力が上に向かって伸びていると言われるパワースポットに立って上を見ると、木々の間から青い空がすこーんと抜けていました。地元の方々が大切にされている礼拝所や泉などを訪れ、最後は「決心ができる場所」と言われる石垣島の御神崎へ。絶景です。本当に絶景ばかりの島ですが、ひとりガイドブックを見て訪れるのではなく、その場所の意味や力について丁寧に説明していただくと、景色を見る目も変わると分かりました。
そして八重山諸島で何よりも驚いたことは女性がチャーミングで若々しいことです。島のパワー、島の食事「ぬちぐすい」の効果でしょうか? 平田観光のベテランバスガイド砂川恵子さん、本当にお孫さんがいるとは信じられませんね…。