2009年9月19日

Rentrée

ボルドー、ポムロル シャトー・ル・パンの立派な松の木

今年の夏はなんとなく短かかったような…

気がついたら空気はすっかり秋に入れ替わり、空もずいぶんと高くなり、まだ夏にやり残した事が…と焦燥感にかられるこの頃です。「今年は2週間しかバカンスとれなかったのよ〜」としばらくメールのなかったフランス人のお客様からメッセージ。「2週間かあ〜(ためいき)」。年5週間の休暇が義務のフランスと比べてはいけません。というわけでバカンスから職場復帰したフランス人がモラトリアムに陥るこの時期、ざっとおさらいをしてみると実はとっても充実した夏でした。

ハートアイランド

3年ぶりに沖縄へ。足を伸ばして、石垣島から船で25分、珊瑚が隆起してできた周囲12km余りのハート型の平たんな島、牛の数の方が人より多い?黒島に行ってきました。昼はスノーケリング、夜はヤモリと牛の声を聞きながら天体ショー。自転車でくるっと回れてしまう世界に「星の王子さま」を思い出しました。

パンとワインのマリアージュ

久しぶりに結婚披露パーティーの御招待。艶々に輝くデコルテの花嫁はブランジェ浅野屋の浅野まき社長、そして新郎は銀座のフレンチレストラン「ロオジエ」の中本シェフソムリエ…これが本当のマリアージュです。終始笑いに満ち、リラックスした時間はあっという間に過ぎてしまいましたが、パンとワインはずっと相思相愛です。

日曜のパリの過ごし方

7月出張の帰りにパリに寄りました。夕方の便で帰国する日は日曜日。滞在していたレピュブリックから自転車でひとっ走り、セーヌ川を渡って14区のカルティエ財団のギャラリーまで「グラフィティ展」を見に行ってきました。途中マルシェで果物を買い、日曜でもショッピングが楽しめるマレ地区のユダヤ人街でファラフェル(ピタパンサンド)をほおばり、帰りには見逃すほど小さいけど優秀なパティスリーPain de sucreでミントのエクレアをゲット。口の温度が1℃マイナスになったような清涼感はさすがです!というわけで、ぜんぜんカロリー消費にはなりませんでしたが、貸し出し自転車ヴェリブの人気も高まり、ますます自転車で走りやすくなったパリをペダルをこいで本当に実感しました。自転車でパリ、オススメです。

何もない贅沢

コリーヌ・ド・コロンビエ、それは三ッ星シェフミッシェル・トロワグロが何の変哲もない近隣の田舎にオープンしたオーベルジュ&レストランです。カドルと呼ばれる船のような鳥の巣のような丘の上の小屋に一晩泊まらせていただきました。トトロの家からインスピレーションを得たという麻布を編んだ天井の寝室で就寝。子供にもどったようなうきうき感です。朝は手作りのブリオッシュに産みたて卵、近所の農家で作るヨーグルトで最高の朝食。だんだんもやが晴れてきても、動くものは牛くらいしか見えません。信じられない静寂とマイナスイオン…。積極的な田舎暮らしがおしゃれなリゾートとして成立するフランスにあらためて脱帽です。

夏の道連れ、お疲れさま!

今年の夏、一番活躍したのが、フランスの葡萄畑からパリ、沖縄、八重山まで私につきあってくれた神保町大和屋履物店の桐の下駄です。かわいそうに、石畳に当たってずいぶん減ってしまいましたが、からっ、ころっと歩く度に軽やかな音を立て、驚くほど軽いこの下駄、慣れたらすっかり手放せなくなりました。来年の夏、またお世話になります!