2009年5月7日

Flamme à Tokyo


タルトは甘い?
タルトと言えば甘いお菓子と思う方が多いでしょう。ではタルトフランメ(tarte flammé)をご存じですか?薄〜く伸ばしたパン生地に、チーズやオニオン、ベーコンの細切りを散らし、高温の薪窯で、炎(flamme)に撫でられるようにして一瞬で焼き上あげる、薄焼きピッツァのようなアルザスの名物、塩味のタルトのことです。アルザス語で”フラメンキッシュ“別名タルトフランベとも呼ばれ、地元では、子供のおやつ、軽食、ワインやビールのおつまみとしてポピュラーなローカルファーストフードなのです。


そのタルトフランメのクリエーターとして、コルマールの近くの村、クリスマス市で有名なカイゼルベルグ(Kayserberg)に専門店Flamme & Co(なんともユニーク!”フラメンコ“と読みます)をオープンしてしまったのが、MOFシェフ、ミシュラン1つ星レストラン「ル・シャンバール」Le Chambardのオーナーシェフオリビエ・ナスティです。

ナスティと私の出会いは2006年
彼の初めて来日したときに遡ります。それこそ甘いデザートバージョンのタルトまで含めて数十種類、アメリカをイメージしたハンバーガー風から、寿司風、地元の新鮮なエスカルゴを使ったタルトフランメ…止まらるところを知らないそのアイデア。「タルトフランメを通して世界にアルザスをアピールしたい」という彼の熱意に動かされて、いつのまにか私も東京でタルトフランメを紹介したいと心に炎が灯りました。

そしてこの4月に開催された新宿伊勢丹の「フランス展」で、念願のタルトフランメ東京デビュー!3年越しの願いが実現しました。 クラッシックなオニオンとベーコンのタルトフランメの他に、生ハムとハーブのサラダ、帆立貝とさつまいものカレー・ジンジャー風味などの創作タルト、りんごとシナモン、ブラックチェリーなど甘いデザートタルトフランメまで6日間で1000枚以上のタルトを焼き、地元アルザスの新聞でもニュースとなりました。

ピッツァより美味しい!
子供が大好きというので、会期中、何度もご来場くださったお客さまも。美味しいものは世界共通なのですね。地方の数だけ魅力的で手軽なローカルファーストフードがあるのがフランスの魅力でもあります。「フラメンコ」は今ストラスブルグ店のオープン準備中、いつか東京にもできるとうれしいですね。今回実現に向けてご協力いただいたブランジェ浅野屋さん、そして何度もアルザスまで足を運んで下さった伊勢丹の皆様に感謝いたします。