panettoneでクリスマス。
毎年この時期になるとうれしいもの、
それはパネトーネがあちこちのお店に並ぶことです。
私はババ同様に、イタリアの発酵生地菓子が大好きです。
パンドーロ、パネトーネ、コロンバ…。
中でもパネトーネはレーズンやドライフルーツの香りが
生地いっぱいに広がって独特の魅力を持っています。
パネットーネにナイフを入れて切り出し、手でその生地をちぎるとき、
まあ、よくこんなに高く立派にふくらんだものだと褒めてやりたくなります。
そしてその生地に鼻を近づけて目を閉じると、私は大学生3年生のときにはじめて訪れたヨーロッパ、冬のミラノ駅の構内に瞬間移動するのです。
香りの記憶はマジックですね。
一瞬にして時間も距離もパネトーネのおかげで超えてしまうのですから。
ベローナやブレッシアなど北部の街へイタリア人の友人たちを頼りにその後も何度となく通いました。
イタリアのお菓子屋さんやカッフェのドルチェの甘い香り、
これは絶対にフランスにはないものです。
派手な模様の大きなパネトーネの箱たちはたいてい壁際の上段に飾ってあって、
ひとりでは食べきれない大きさにうらめしく思ったものです。
ビュッシュ・ド・ノエルやシュトーレンもよいですが、
クリスマスにはぜひパネトーネで至福の時間を。
一気に食べきれなくてもお正月まで楽しめます。