2008年12月20日

Le Dîner du Gala par un chef de ceinture noire



2008年は日本とフランスの友好関係が公式に始まって
150年という記念の年であることご存じでしたか?

毎年、在日フランス企業の皆様、
フランス、欧州のビジネス、文化に関わる方々が多く集まる
在日フランス商工会議所のガラディナーのために料理を作りに来日することになった
ティエリー・マルクスシェフ。

「今年は日本と関わりのあるシェフ」をということで白羽の矢が立ちました。
マルクスシェフは2000年に私が日本に招聘してから、毎年のように来日をして料理を披露、プライベートでもレストランがオフになると日本に滞在し、柔道の稽古に講道館に通うという根っからの日本贔屓です。

9月から何度も試作を繰り返し準備してきたたメニュー、
中でも好評だったのが、オマールのショーフロワです。

真っ赤なピッキーヨ
(赤ピーマン)のグラッサージュをまっとったオマールの温かいファルスを囲むのは、
ほんのり甘くさくさくの根セロリのクルスティアン。



「これはもしかしてLe pays du soleil levant (日の昇る国、ニッポンの象徴)?!」

とフランス人ゲストも大喜び。
根セロリのロワイヤルに薄くオマールのジュレを薄くひき、オマール海老のジュの泡をふんわりのせて…。オマール海老も根セロリもその姿はどこにも見えないのに、口の中でいろいろな食感と温度差が響き合いながら、はっきりと感じとれる2つの主食材…21世紀の現代フランス料理のおもしろさですね。

673名のお客さまにフランス料理を提供するのは、マルクスシェフにとっても私にとっても初めてのこと。開催場所となったホテルグランパシフィックLEDAIBAのスタッフの皆さんのご協力あってこその成功です。バックヤードはご覧の通り。料理を仕上げる4つのディッシュアップの間を全速力で走り、箸を手にチェックに廻るマルクスシェフ。
19時30分にアミューズブッシュをお出ししてから予定の1時間40分ですべてのお料理を提供しました。

本当に皆さんお疲れ様でした!





四谷三丁目からヘルプに駆けつけて下さったSUCRE SALEの中西シェフにもMERCI。

前週には別の都内のホテルで開催された7人の星付きシェフたちによるガラディナーのためにも来日していたマルクスシェフは2週間のうちに日仏間を二往復されたことになります。
最近では柔道よりも剣道にはまっているマルスシェフ、
注文した竹刀と木刀を抱えて帰国の途に尽きました。
シェフの仕事には体力も不可欠とはわかっているもののタフです…。
武道派シェフ、マルクスは今頃ボルドーで竹刀を振っていることでしょう。